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6月の白い郵便

いつの間にか7月も後半になっていました。こんばんは、和ぎです。
1ヶ月もずっと頑張って来たのに、結局間に合わないどころかぐいぐい遅れて行くなんて……!!(涙)

大変遅くなりましたが、「広場」の最後を盛り上げる為に創ったといっても過言ではないお話を、只今、UPしたいと思います。

本当は、SSシリーズとして「広場」にUPしている薫編を創っていたのですが、マリナとジルも創ったら面白いんじゃないかと思いまして、このような形になりました。どうせなら、「広場」の最後を盛り上げる一役買おうと古参として頑張ってみました。

シリーズとして、それぞれの元に別々の人物から白い郵便物が届くことで進むお話となっております。
それだけで、他は何も繋がっておりません(笑)。

「広場」には薫編、「分家」にはジル編をUPしています。
それぞれお楽しみ頂けると嬉しいです。


それでは、お話をどーぞ!







No.59  6月の白い郵便 ~マリナ~

 日本とは思えない好天が続いた6月のある日、ポストに白い郵便物が届いた。
 真っ白な封筒に、黒インクであたしの名前が丁寧に書かれている。けれどそれは漢字ではなく、アルファベットだ。つまり、海外から送られて来たということになる。はて、誰だろう。差出人の名前は…………えっと、ジル、かな!?
 高校も出てない、学力が平均よりもやや下の方にいる日本人のあたしに、筆記体を使うのは止めてちょうだい!! 読むのにすっごく時間が掛かるからっ!
 ブツブツ言いながら封筒を開けると、ふわっと、かすかにだけれど花のいい匂いがした。それであっという間に機嫌を直したあたしは、この素敵な封筒の中には一体どんな素敵なことが書かれているのかと、ドキドキしながらそっと中身を取り出した。
「――――えええぇぇぇえええぇぇぇっ!?!?」
 中を確認したあたしは混乱した。
 その内容というのは、結婚式の招待状だった。……ジルの。
 そこまでは、何も問題はない。ジルが望んで、一緒にいたいと思った人ならば、友人として祝福したい。自分の一生をシャルルの為に捧げようとしていた昔を思えば、自分の幸せを求めるようになったことは大変喜ばしいことなのだ。協力したいとも思う。
 けれど、その相手というのが問題なのよっ。
 あたしは何か見間違えたんじゃないかと思って、もう一度招待状を見返した。
 ――えっ、誰っ!?
 知ってる名前だけど、え、もしかして、同姓同名?
 どういうコト!? どういう接点で、どういう脈絡??
 ジルの身に、一体、何があったの!?!?
 ああ、あたしの可愛いジルに万一のことがあったら、ただでは済まさないわよ……。ジルはねえ、ずっとずっと従兄の為に自分を殺して生きて来て、従兄になり切ろうと努力して来た、健気ないい子なのよっ!? 誰かを恨んだっておかしくないのに、従兄の幸せを自分のことのように祈っている優しい子なのよ。そんな彼女こそ、幸せにならなくちゃ。でないと、職務怠慢だって神様に訴えてやるわ。
 そりゃあ、あたしはジルの友人のひとりで、家族でもないけれど、それでも特別な友人になれたと思っていたのよ。ああ、それなのに、なんであたしは何も知らないの!?
 ……そうよ、本当は、物凄く悲しいし、怒ってるわよ!
 何も知らされなかったことに対して、何の相談もなかったことに対して、そして何より、何も気付かなかったことに対して、よっ!!
 ――悔しい。
 もう、色んなことが悔しくてたまらない。
 あんまり悔しいので、そのモヤモヤをぶつけるべく、あたしはしかるべき人物の元に電話をかけた。
『君から電話をかけて来るなんて、珍しいね。何があったか、当ててあげようか。そろそろかかって来る頃だと思っていたんだ。君は、ジルからの招待状をもらって、彼女の結婚相手が自分も知っている人物だったから、驚いて電話をして来たんだ。何故、彼女の所ではなくてオレの所かというと――』
「そうよ、あたし、あんたの声が聞きたかったのっ!」
 その瞬間、電話の向こうが静まり返った。けれどあたしはそれに気付かず、次々と自分の気持ちをぶつける為に、言葉を続けた。
「もう、そう思い立ったら、いても立ってもいられなくて、迷惑だっていうことはわかってるんだけど、どうしても我慢できなくて……」
 あたしはシャルルにこの気持ちを理解してもらおうと、切々と訴える。彼ならきっと、この気持ちをわかってくれるはずよ。
「あのね、あたし…………素直にジルの結婚を祝うことが出来なくて、苦しいのっ!!」
「……………」
「そりゃあね、ジルが決めたことだもの、絶対に問題なんてあるはずないんだけど、だったら何故、あたしに付き合ってることを話してくれなかったのかしらとか、相手もあたしの知り合いだから言いにくかったのかしらとか、……それとも、もしかして、あたしが気付いてないだけで、言い出しにくい雰囲気でも出していたのかしらっ!? ああ、もう、何で気付かなかったのかしら!! あたし、それが一番悔しいわ! ――それからね、ジルに対しても怒っているのよ。こういう大切なことは絶対、あたしに直接言ってくれるものだと思っていたから。メールでも電話でもいいの。予定が決まる前に教えて欲しかったわ……。ねぇ、シャルル、あんたはジル達のこと、気付いてた?」
 話している内に段々と落ち着いてきたあたしは、しんみりと彼に質問した。恐らく、一番近くにいただろうシャルルなら、ふたりのことを知っているのではないかと思った。そしてジルとの距離が近い分、あたしと同じような寂しさを感じているのではないかと思ったのだ。自分達の知らないジルがいること、ジルがどこか遠い所に行ってしまうかのような喪失感、ジルの一番が他の人になる寂しさ。
 それは、嫉妬というよりも、失恋した時の感情によく似ていた。
「……ああ、知ってたよ。ジルが君に言い出せないと悩んでいたことも」
「……シャルル、シャルルの眼から見て、あのふたりは上手くいくと思う?」
「じゃないと、結婚なんて許可しないよ」

 ああ、それなら、この寂しい気持ちも少しずつ軽くなって、当日にはきっと心から祝うことが出来る気がする。今はまだ少し離れ難いけれど、大丈夫。
 たくさんの「おめでとう」を白い封筒に詰めて、今日は出席の返事を出そう。







シャルマリになりそうだったところを、何とか?マリナの気持ちをジルへ方向転換できました。
ジルの相手については、特に何も考えていません。お好きな相手をご想像ください(笑)。

このお話のBGMは、今井美樹/「雨にキッスの花束を」です。


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和ぎ(なぎ)

Author:和ぎ(なぎ)
7月30日生まれ。
北陸在住の藤本ひとみ中毒者。
性格: 小心者、忘れっぽい、
     面倒臭がり屋、マイペース

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