空模様

思いついたままをぽつぽつ綴ります。
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ああ、やっぱり日本人!

夕刊を読んでいると、面白い記事を発見。

フランスのシャンゼリゼ通りにあるレストラン内に、メード喫茶が臨時開店されたというもの。当のフランスの皆様方は、当惑気味らしい(笑)。何故にフランスで! しかも、臨時ってナニ!? 思わず噴き出してしまった私を、誰が責められましょう。面白すぎる。と、笑いたいのをこらえて読み進めれば、なんと、レストランのアトラクションのひとつと書いてある。あとらくしょんってアンタ……。通ってる人に怒られるかもよ? などと心配をしてしまいました。まあ、(メードを)やっているのは日本時女性7人みたいですが。

果たして、この世界がフランスの方々に広まるのだろうか?
私には、無理だと思うのですが……。はてさて、どうなるのでしょうね。

この記事が面白いと思ったのはね、過去最大規模にまで大きくなったという成層圏のオゾンホールや、県内の中学生が除草やごみ拾いのボランティアを行ったという記事と同じ紙面に載っていたからでもあるのです。これだから好きよ、新聞って。月曜日には、某ニュース番組で小倉さんに朝1番に取り上げてもらいたいなあ(小倉さんの切り口など、好きで毎朝見ています)。


――閑話休題。


さて。つい先日のお話なのですが、エレベーターで私は日本人なんだなあと、つい実感してしまいました。

私がひとりで乗っていましたら、後から(職場は違えど)私よりも先輩に当たるひとりの男性が乗って参りました。必然的に、私はエレベーターガールの役に。帰るところだったので私は1階のボタンをすでに押していたのですが、どうやら相手も1階に下りる模様。私達を乗せたまま、エレベーターはグンッと滑り降りていったのですが、その途中で再び停まってしまいました。乗ってきたのは、ひとりの(やっぱり職場は違えど)私と彼よりももっと上の先輩の女性。

……実はこのふたり、今までお世話になった方々。色々と教えてもらった先生になるのです。エレベータガールであり、生徒である私は直感的に思いました。私が1番下の人間なのだから、先輩方のために動かなければ……と。

そして、やはり、彼女も一緒に1階に下りることに。お話をしながら、やがてエレベーターは1階へ到着。私は素早く「開」ボタンを押してドアをストップさせ、おふたりを先に通そうとしました。が、誰ひとりとして動きません。それどころか、

「どうぞ、どうぞ」

と、3人揃って言い出す始末。
まるでドラマか漫画のワンシーンよう。このままでは押し問答が続きそうだと思った私は、素直にお言葉に甘えさせてもらって、誰よりも先に出てしまいましたが、3人とも、苦笑いが混じった笑顔でした。

「やー、譲り合いの精神でしたね」
「素晴らしいっ」

――以上、どこか、笑ってしまうような出来事でした☆


ここからは、ちょっとしたお話です。


 * SS №01


 ――カラン、カラン。
 入口のベルが音を立てれば、それが合図だというように方々から一斉に声がかかる。異常、と呼んでもおかしくないくらいの大合唱だ。
「お帰りなさいませ、ご主人様!」
 すでにメイドのいる生活に浸かっている彼にとって、そんな言葉は何の癒しにもならない。使用人は皆、壁。そう思っていないとやっていられない。けれども、近頃ではある人物によってその生活に変化が見え始めた。無だったものを有に返すその動きに、彼の抵抗はあまりに無意味だった。彼女は過去に1度、鏡の中にいた人物をこちら側に引き戻したことがある。
「ご、ご主人様、ど、どうしてここに……?」
 突然のことに驚いたのだろうか。メイド服を着た彼女が、引きつった笑顔でそう訪ねてきた。その質問は、むしろ、こちらがしたい気分だというのに。
「そうだな。君に会いに……って言ったら、納得してもらえるかな」
「うっ。あ、あはははは。嫌だわ、ご主人様ったら」
 もちろん、顔には彼女の本音が表情として出ている。
 嘘のつけない奴。
 彼は、そんな彼女に向かって、にっこりと笑ってみせた。ところが、彼女は何を思ったのか、注文も取らずにドタバタと奥に逃げてしまったのである。最近姿を見せないと思えば、こんなところでアルバイトをしているとは、さすがに想像できなかった。
「あの……あなた、マリナの知り合いなんですか?」

 奥に逃げ込んでしまった彼女は、店長と彼の一挙一動を物陰からじっと見ていた。注文を代わりに取りに行ったとはいえ、少々帰りが遅い。焦れる彼女の元に、同僚から野次が飛んできた。
「ねえ、彼とはどういう関係なの!?」
「まさか、恋人っ?」
「なら、どうして逃げてくるのよ。おかしいでしょ」
 様々な憶測が飛び交う中、彼女の主張する「友達だってば!」という言葉は無視された。とはいえ、彼のことが気になる彼女は、こうしてふたりのことを遠巻きに見ているのだけれど。やがて彼と話を終えて戻って来た店長は、彼女の姿を見るや、両手を取って瞳を潤ませながら責め始めた。
「マリナ、彼はね、あんたを心配してやっとここまで来たんですって。それなのに、あんたったら、こんなところで何やってんの? ちゃんと彼と話し合ってきなさい、ほら、見ないようにして上げるから」
「ちょ、ちょっと待って。どうして話し合わなきゃなんないのよ」
「どうしてって……彼、あんたの恋人でしょう!」
 彼女が誤解を解こうとする暇もなく、奥から追い出されてしまった。彼女は仕方なく、彼のところへ行く。
「ちょっと、店長に何て言ったの? あたし達の仲を完全に誤解しちゃってるわよ」
「何も言ってないよ。昔からの知り合いだって言っただけさ」
「ホントに、それだけでしょうね?」
「まあ、その後に、それ以上のことは言えませんけれどって言ったかな」
 それでは、それ以上の関係があるかのように言っているのと同じこと。誤解されて当たり前だった。彼女は、肩を振るわせながら、必至で感情を抑えようとしている。
「ねえ、マリナちゃん、メイドがやりたかったなら言ってくれれば良かったんだよ。そうすれば、いつだってやらせて上げたのに」
「……そこまでして、やりたくないわよ」
 じゃあ、戻っておいで、と彼は最後にやわらかい笑顔をさせて彼女に言った。メイドを迎えに来る主人がどこにいるのよ、と彼女は思ったけれど、彼は彼女だけは元々特別な目で見ている。たとえば、彼女がそこにいてお帰りなさいと言ってくれるだけでも、彼女が彼のために飲み物ひとつを給仕してくれるだけでも、彼は彼女に微笑みかけたくなるのだ。こうして話しかけて、相手の反応を楽しみ、彼女との時を手に入れたくなる。それはもう、彼にとって完全に使用人ではない。ただのマリナという女の子だ。何故なら、彼女の前でだけは、彼は主人ではいられないのだから。



※ ちょっとしたお話でした。マリナのアルバイト先に、ご主人様登場(笑)。

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【 2007/03/03 】 【物語】 | TB(-) | CM(0)
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